砂のお城

生きるか死ぬかみたいな毎日

終わる魔法

さっきパソコンのデータフォルダを久しぶりに開いたら、高校の頃の写真がたくさん出てきた。もう4年も前なんだよな、懐かしい。初めて母に化粧をしてもらった日に撮った写真も出てきた。すごく嬉しかったことを今でも覚えている。

元彼の写真もたくさん出てきた。フォルダを開くことなく反射で消した。やっぱり彼は私のこと好きだったことなんてなかったのかもしれないなって思った。最近は元彼に対してなにも感じなくなったし、声を思い出したり指の感触を思い出したりすることも少なくなった。鮮明だった記憶がぼやけ始めている。人間に忘れる力があって良かった。きっと彼はたくさんの人に愛されて、幸せに、わがままに生きていくんだろうなと思う。そしてもう会うことはないのだろう。それでいい、それがいい。何も思わない、感じない。

 

昨日ははやい時間に布団に入ったのに、夜中に咳が止まらなくて目が覚めた。苦しかった。1週間ぐらい前から喉が痛い。今は咳が出る。喉がかゆい。掻き毟りたい。

 

この間治療の先生に「馴れ合いしてたら勝てるわけないじゃん」って言われて、確かにそうだよなって思った。でもわたしは誰かと一緒に頑張ることが好きで、他人を蹴落としてまで上に行きたいとは思えなくて。わたしには「勝つための覚悟」が足りなかったのかもしれないなって、治療のベットの上で思った。馴れ合いはレクリエーションでしょって先生が言ってた。勝つか負けるかの世界にいた人の言葉は鋭い。

 

先週の話。先輩と買い物して夕飯食べて帰ってきた。お互いに気に入った靴を見つけたので買った。前の恋人に話とか、恋人に何を望むかとか、部活の話とか、ずっとずっと話していた。先輩の隣はいいにおいがした。来月一緒に紅葉を見に行こうという話になった。

 

卒業式に着る袴を決めた。来週からは卒業研究が本格的に始まるし、いろんなことが卒業に向けて動き出している。夏休みに苦しくなると、バンプの記念撮影に詞の中にある「終わる魔法」って言葉を何回も何回も唱えていたことを思い出した。全ての物事は終わる魔法の中にあるんだね、よかったよかった。

 

 

久しぶりに読書メーターを開いた。懐かしい名前のままだった。最近読んだ本の感想を書いた。こっちの名前も昔の名前に戻してみた。ちづる。この名前で出会った人が今の私を作っているよな気がする。あの頃よりわたしはいろんなことを知ったし、彼の年齢も越えてしまった。いろんなことが見える。でもその分、見えなくなっていることもたくさんあるんだろうなと思う。全部覚えていたいと思うけれど、ひとりで感じ続けることは苦しいから嫌。

 

 

平凡を誰かと半分こする生活。