砂のお城

生きるか死ぬかみたいな毎日

今日は送別会だった。少し前まで生活していた寮はなんだかもう知らない場所になっていた。完全にお客様だった。くじ引きで当たった席に座って手巻き寿司を食べた。最後の最後まで後輩と何を話していいかわからなくて静かな食事会になってしまった。花束とプレゼントをもらったら、いろんなことがこみあげてきて泣いた。それから先は涙が止まらなくて一人だけずっと泣いてた。みんなの前で最後に話すときに全部ぶつけてやろうとおもって考えていた言葉も全部飛んだ。久しぶりに会った後輩たちはみんな元気そうだった。楽しそうだった。監督もコーチもみんなみんな楽しそうだった。わたしたちの代までにはなかった信頼関係が築けているのをとても感じた。わたしがずっと求めていたものが見えた。でももう、自分はそこにはいない。誰ももう去年のことは引きずってなどいないように見えた。(いや、引きずっているのかもしれない。去年のことをバネにして力強く進んでいるようにも見えた。)私だけが囚われ、そこに留まっていることを感じた。もう忘れていいんだなって思った。これ以上自分のことを呪い続けてもなにもないんだなって思った。全部全部捨てようって思った。今でも監督とコーチにどう思われて終わったんだろうって考えるととてもこわい。ずっとずっと期待してもらっていたのにわたしは最後の最後に裏切った人間だから。きっと全部の信頼もなにもかももう残ってはいないんだろうなと思う。悲しいけれど、勝負の世界だから。結果が全ての世界だから。

 

最後に後輩たちに何も心配していないから自分たちのカラーを出して時代を築いていってくださいって伝えられたからもう充分だなって思った。家について後輩からすごい長いラインが来ててまたちょっと泣いた。目が腫れて、もう目がなくなった。

 

これでここに書くことも最後にしようと思う。わたしはもう自由になった。今いる場所は砂のお城なんかじゃない。手に取って感じることができるものが全て。まだちょっと辛いけど、でもきっともう少し経ったら、私が走ってきた理由や、競技から何を得たのかわかる時がくると思う。苦しかった、めちゃくちゃ苦しかった。でもきっと投げ出さないで最後までやったことには多少の意味はあったと思う。

 

ずっと弱音ばっかり書いてた。誰にも言えなかった。周りは敵しかいなかった。だからこの場所があって本当によかったなって思う。たくさんたくさんありがとうございました。ここにわたしの競技生活を全ておいて、前に進もうと思います。いつの日か、競技をしていた自分を肯定できるように、弱い自分に打ち勝って、わたしはこれからもしぶとく生きていくのでしょう。

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